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MCP、A2A、UCP――乱立するエージェンティックAIプロトコルを整理する

鈴木章広

鈴木章広

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2026/01/31

この記事のポイント

  1. The RegisterがMCP・A2A・UCP等の主要エージェンティックAIプロトコルを体系的に分類・解説
  2. Linux FoundationがAAIFを設立し、プロトコルの標準化と統合が本格化している
  3. EC事業者はUCPとAP2によるエージェント経由の商取引に今から備える必要がある

エージェンティックAIプロトコルの「アルファベットスープ」を読み解く

Deciphering the alphabet soup of agentic AI protocols

Deciphering the alphabet soup of agentic AI protocols

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Tools, agents, UI, and e-commerce - of course each one needs its own set of competing protocols

2026年1月30日、テクノロジーメディアThe Registerが、乱立するエージェンティックAIプロトコルを体系的に整理した解説記事を公開しました。MCP、UTCP、A2A、ANP、NLIP、A2UI、AG-UI、UCP、AP2など、次々と登場するプロトコルを「ツール連携」「エージェント間通信」「UI連携」「ドメイン特化」の4カテゴリに分類し、それぞれの役割と関係性を明らかにしています。

背景と業界動向

AIエージェントの実用化が進む中、最大の課題は「エージェント同士、あるいはエージェントと外部システムがどう連携するか」という標準化の問題です。現状では各社が独自プロトコルを提案しており、まさにVHS対Betamaxのような規格競争が起きています。

この混乱を収束させるため、2025年12月にLinux FoundationがAgentic AI Foundation(AAIF)を設立しました。Anthropic、OpenAI、Google、Microsoft、AWS、Blockなどが参加し、MCP、A2A、goose、AGENTS.mdといった主要プロジェクトが同財団に移管されています。BlockのCEOは「AAIFがWebにおけるW3Cのような存在になることを期待する」と述べています

プロトコルの全体像を4つのカテゴリで理解する

ツール連携(Agent-to-Tool)として最も普及しているのが、Anthropicが2024年末に開発したMCP(Model Context Protocol)です。クライアント・サーバー型アーキテクチャで、AIモデルが外部ツールやデータソースに接続するための「USB-C」と呼ばれています。OpenAI、Googleも採用済みですが、MCPサーバーがコードインタプリタのラッパーにすぎないケースではセキュリティ脆弱性が指摘されています。対抗馬のUTCP(Universal Tool Calling Protocol)は、ツールのネイティブAPIを直接呼び出すアプローチでオーバーヘッドを削減しますが、普及はまだ限定的です。

エージェント間通信(Agent-to-Agent)では、Googleが開発したA2Aがデファクト標準になりつつあります。複数のエージェントがチームとして協調動作するための発見・通信プロトコルで、Linux Foundationに移管後、IBMのACP(Agent Communication Protocol)と統合されました。さらに、ピアツーピア型のANP(Agent Network Protocol)や、Ecma Internationalが提案した自然言語ベースのNLIPも登場しています。

UI連携(Agent-to-User)の領域では、GoogleのA2UIがエージェントに動的なインターフェースを生成させるアプローチを取っています。チャットではなく、航空券予約のようなポイント&クリック型UIをFlutterやReactで動的にレンダリングします。一方、AG-UIはフロントエンドクライアントとの安全な通信レイヤーに注力しており、A2UIとの併用も可能です。

ドメイン特化プロトコルとして、EC業界で注目すべきはUCPとAP2(Agent Payments Protocol)です。

EC事業者への影響と活用法

EC事業者にとって最も直接的な影響をもたらすのが、UCPとAP2の2つのプロトコルです。

UCPは2026年1月にGoogleがNRF(全米小売業協会)年次総会で発表したもので、Shopify、Target、Walmart、Etsy、Wayfairが共同開発に参加しています。商品発見から購入、注文管理までの商取引フロー全体を標準化し、N対Nの複雑な連携を単一の統合ポイントに集約します。Shopifyは既にUCPをネイティブ統合しており、Google AI ModeやGeminiアプリ内での直接購入を可能にする「Agentic Storefronts」を展開予定です。

AP2はエージェントによる決済を安全に実行するためのプロトコルです。エージェントが生の決済情報や個人データにアクセスせず、トークン化された認証情報を使って取引を完了する設計になっています。OpenAIのショッピングエージェントが卵1ダースに31ドルを支払った事例のような暴走を、事前に定義されたガードレールで防止します。

EC事業者が今すぐ取るべきアクションは、まずUCPの仕様書を確認し、自社のAPI基盤がREST/JSON-RPCに対応しているか点検することです。Shopifyを利用中の事業者は、管理画面からの設定だけでエージェント経由の販売チャネルが追加される見込みです。初期展開は米国市場からで、決済はGoogle Pay、将来的にはPayPalにも対応します。

まとめ

エージェンティックAIプロトコルの乱立は一見混沌としていますが、Linux FoundationのAAIF設立により、標準化の方向性は明確になりつつあります。ツール連携はMCP、エージェント間通信はA2A、EC領域はUCP+AP2という軸が固まりつつあり、重複するプロトコルは順次統合される見通しです。

EC事業者にとっての最大の注目ポイントは、UCPの普及スピードです。Google、Shopify、Walmart、Targetといった大手が共同開発に名を連ねており、2026年中にエージェント経由の商取引が一気に現実味を帯びる可能性があります。2026年4月にニューヨークで開催されるMCP Dev Summitも、今後の方向性を占う重要なイベントとして注視すべきです。

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